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概ね日付が変わる頃書いているので昨日と今日の境目がおかしい。幕末と人形と文学的な何かを愛している。
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この感動、と言うか衝動を。なんとか日本語に変換すべく。のた打ち回る、意外の方法で表現すべく。取り敢えず素振りをして、お風呂に入ってきたほびっとです。
(風呂は兎も角、素振りって落ち着くのに必要なプロセスだったんだろうか……)

と言うわけで。
秋山香乃新刊『伊庭八郎幕末異聞 櫓のない舟』を読みました。
え? 発売日? うん、ちょっと早売って貰った。えへへ。
ちょっと読んでる間随所でのたうつ羽目になりました。これから読む人には、近くに殴る用のクッションとか、叩き割る用の紙風船とか、放り投げる用の枕とか用意しておくといいかも知れません。なお、危険なので箱枕は決して人に向かって投げつけないこと。
取り敢えず、転がり回るスペースは大事だと思う。スチール製の本棚は丈夫で大変好ましいのですが、ぶつかると半端なく痛いです。
若りし日の……と言っても、多分あと10年そこそこしかないかと思うのですが……伊庭さんとトシさんの物語と言っても過言ではございませんよ、今回は。取り敢えず、二人の出会い頭の会話だけでお櫃空っぽにできる勢い。なんか、むしろ私のおつむが空っぽみたいな表現になってますが。慇懃無礼という言葉のよく似合う、やんちゃな薬屋トシさんと、まだちょっと天然気味の伊庭の若様の会話はなんかもうその場に割って入って突っ込みいれたい勢いでした。ハチって……トシさん、それ犬猫……つーか、ウチの伯父貴の家の猫の名前だし!! ひーこら。ちょっと怒るとすぐいつものべらんめぇになるトシさん。その割りによく拗ねるトシさん。でも、大先生と勇先生の言うことだけは一応聞いとくトシさん。そして不貞寝するトシさん。もう、可愛くてなりません。そんな中、ぽつりとリフレインする『歳三往きてまた』の一説が泣かせてくれます。あっちの物語と、こっちの物語と。ちゃんと世界は一つなんです。同じ日々を、同じ人の視点で切り取ったわけではないのだけれど。それでも、世界は、時間は続いている。確実に同じ話なのがよく判る。その瞬間の、この感動はちょっと言い表せないけど、よく判らないけどフェルマーの最終定理とか解けたらこう言う気分になると思う。
鱗さんやらとの話にも決着が付いて、新撰組(予定)の面子がうわっと登場、ただのお坊ちゃまだった伊庭の子天狗も、世界を見て、日本を知って、歴史が動き出す。さあ、彼らの未来は……! みたいな話になってます。これで盛り上がるなって言う方が無理です。鱗さんたちオリジナルが、ちゃんと伊庭さんの背を押して、世界に出していくと同時に消えていく……その辺りのもの悲しさも含めて、なんとも小気味良いです。えっと、やっぱりこう言う爽やか青春物語ながら、うすら寂しく、時折いろんな意味でアヤシイ(今回、これは然程でもないが)と言うのが秋山氏のカラーだと思うのですが、いかがでしょうか。
てゆーか、この話はどこまで進んでくれるのかな。『伊庭八郎幕末異聞』というくらいだから、結構長く進んでくれることを希望しますが……どうかな。ところどころに「未来」の話が組み込まれているので、なんとも言えないですね。途中で終わってもいいし、ずっと続いても構わないし。
あと、その辺のネタで言うと、どんどん敏腕官吏になっているような気しかしない小太郎さんが、何をどうして箱館くんだりまでいくようになるのか。最期の言葉が「俺は死ぬ」になるのか。その辺が気になります。今の小太郎さんだと、家族の下に残ることを選びそうな……
そうそう、この物語としてはサダと礼の二人も忘れてはなりません。私、恋愛話にはとんと興味を示さぬのが常ですが、伊庭さん絡みだけは別なのです。どっちを取っても切ない結果になるのが、もうなんともね……しかし、やっぱり伊庭の若様はいい男になってるけど、確実に悪い男でもあるなぁ、と思います。特に礼子さんとの話は。今回は短いんですが……これで、何一つとして計算してない、本人はただ一生懸命の好きなだけなのだから、始末に終えない。いや、礼子さん、と言いましたがどちらも、かしらん。
ところで、左近の道中のシーンで、私は何故か静御前の歌を思い出しました。「しずやしずしずのおだまきくりかえし……」ってヤツです。「峰の白雪踏み分け入りにし人のあとぞ恋しき」と続きますが、まさにそんなイメージ。彼らが消えていくのは……女が追えなくなるのは、北国の冬に向かっていくから……そんなイメージが、あるのかも知れませんね。

彰彦先生の伊庭さんの格好良さが、あのとびつきたくなる陣羽織の背中に見える、完成された男としての格好良さなら。
秋山伊庭の格好よさは、この若々しい、何一つ気負うところも衒うこともない。きらきらした眩しい格好良さだと思いました。
ただ一つ確かなことは、どっちの伊庭さんで頭がいっぱいになってても、私は幸せだ、ということです。……我ながら、なんておめでたいおつむりなんでしょ。

ふう。
一通り、書いたかな……? 余程のことがない限り、暫くテンション下がりそうにない。下がりそうにない、がしかし。来週にはピスメの新刊の発売日が控えているので、別の意味で使い物にならなくなりそうで怖いです。

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