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概ね日付が変わる頃書いているので昨日と今日の境目がおかしい。幕末と人形と文学的な何かを愛している。
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10キロオーバー……た、多分……
昔の人って凄い……もう一日足痛くて起きられなかったもの。

と言うわけで、宮古湾海戦史蹟を巡る、宮古一人旅に行って参りました。0泊2日くらいです、いえー。
品川発の深夜バスで行きました。この行きのバスでお隣さんだった方がとてもいい方で……いろいろとお話させて頂いたり、帰りには見送りにまで来て頂いてしまって……とても良い経験が出来たかと思います。
朝、ついてまず朝一番の遊覧船に乗りました。船大好き♪
まあ、この遊覧船は海戦のあった場所にはほっとんどかすってすらいねぇ、状態なのですが。それでも、外っ側の方は回天航路に若干被ってるんじゃないかなぁ……と妄想。ちょっと寒かったですけど、海綺麗でした。薄ら緑がかっている感じだったのですが、ちょっと泡立ったりなんかしたりしますと、正しく浅葱色って感じで。おおお、青い、青いよ利三郎さん……! と一人でテンションが高いような……低いような。(おおお、と思った次の瞬間なんか泣きたくなってくる)
ただ、端っこの救命胴衣の箱の上に座っていたら鴎にばしばし叩かれました。……き、きあだん、鴎が可愛くないよ……しかもうち一回はダイレクトに風切羽で二の腕叩かれまして……おーい、君、それは大事なんじゃないのかい……? と思いました。
途中で月山という山がよく見えたのですがガイドをしていたおねーさん(水兵さんの格好だった!)の「山にかかる月がとても美しく見える事から……」という解説にものすごくにんまりしてしまいました。と、言いますのもこの山には中島登さんが潜んでいたという伝承があるそうで「月がとても美しいから「月山」なんて名の山に絵師が潜むなんて……浪漫!」となった次第であります。
船から降りるころになると、日も高くなりすっかり視界も晴れ渡ってなかなかの好天。あれ、天気悪くなるんじゃなかったのかなぁ……などと思いつつ、行軍開始、です。宮古市、浄土ヶ浜周辺には宮古湾海戦絡みの碑が多くあり、また各展望台(というか台場跡)からも戦闘のあった場所を眺めることができます。基本的には、土方さんの資料館で求めた小冊子を参考にしました。
特に勉強になったのは臼木山山頂付近にある碑でして……何故か甲賀さんでも榎本さんでもなく、土方さんの写真があるアレです……この文章とか地図とかまるっと写して持って帰りたい! って感じでした。結局、地図の方は四分割くらいの写真におさめ、文章の方は手書きだと時間が掛かりそうだったので携帯に朗読して録音しました。文明の利器万歳。ちなみに、この山、山頂に至る道は何本か在るらしいのですが、少々遠回りを承知で水産科学館の横辺りから入ることをお勧めします。そこの道は比較的傾斜も緩く、スカートに革靴という「お前海辺舐めてんのか」みたいな格好でも余裕でした。御台場展望台、龍神崎展望台、舘ヶ崎展望台までの道程は正直キツかったです。辿り着いたとしても龍神崎とかかなり草叢でしたし。まあ、ちゃんと海さえ見えればそんなものは取るに足らない瑣末なことで御座います。鼬が出るような道であろうが、お構いなしにざくざく歩きました。
浄土ヶ浜周辺を一通り歩き終わってから、マリンハウスってとこで昼食を取りました。磯そばなるものを食べたのですが(最近、蕎麦好きが嵩じてか行く先々で蕎麦食ってるような気が……)なんというか、とても海味でした。ふのり、だとおもうのですが。小豆色の形だけはひじきみたいな海草がとても海味。よく料理番組なんかで「磯の香りが」とか言いますが、そんな生半なもんじゃありません。どのくらい海味かと言うと、乾燥ネギですらネギくさいと避けたがるこの僕が、普通の生の白ネギが入っているのを気にしなかったくらいの海味です。
昼過ぎくらいに再び出発。
足がないので、頼るのは自分の足だけです。バスなんかもあるにはあるんですが、時間を気にしなきゃいけない乗り物は一日に一本(つまり帰りの夜行)だけで十分で御座います。海を左手に、正しく漁港、という雰囲気の場所をずんずん歩いています。途中、ところどころで立ち止まっては海を眺める。そしてまた歩く。この辺りは結構埋め立てられているらしく、戦闘があった場所は今の海岸線で考えると驚くほど海岸に近いのです。この距離で見えたら怖かろうなぁ……と思います。流石に迷うかな、とも思ったのですが「海をずっと左手に観ながら歩く」というのが結構いい目印になりまして、特に問題はなかったです。
そして、大杉神社、というところにも碑があり、またここからは戦闘があった場所を一望できる、というのでせっかくなので行きました。鳶の巣でした。でも、源氏山公園もこんな感じだよな……やつらは比較的話が通じる種族なので、怖れるに足らず、です。いや、賑やかで楽しかった。ちなみにこの碑の文字は東郷平八郎が書いたものだとか……漢文で、さっぱり意味がわからんのですが。もっと勉強せねば。下りの階段は怖かったのですが(急なもので)、確かに海が一望できました。
それからまたざくざくと歩き、市役所の辺りで曲がって、藤原観音堂、というところを目指します。勇ましくいきたいところですが、ここで夕立に遭う。うーんこういう崩れ方を期待していたわけではないのだけれども……と思いながら、休憩をかねて橋の下で雨宿り。傘も持っていたんですがめんどくさい。(えぇ)
藤原観音堂には小さなお墓があります。宮古湾海戦の後、流れ着いた首なしの遺体を弔った場所です。この遺体は利三郎さんの遺体とも言われています。案内文の利三郎さんの名前の後ろに「土方歳三の介添役」としっかり書かれているのが、なにやら可愛らしいような、利三郎さんらしいような……。ここまで来てふと思ったのですが、利三郎さんって死に際の説はかなりたくさんある方なのに、生存説というのはとんと耳にしませんよね。平助ですら生存説があるというのに。それがずるいとかどうとかいう話ではありませんが、なんとなく不思議だなぁ、と思います。そして、案内文に書いてあったこのお墓を建てて下さった方の「仏に官軍も幕軍もない」という言葉に絆される形で、官軍方の死者のお墓も訪ねてみよう、と思ったのですが……場所が判らずすっかり迷子。しかも、間違えた道というのがかなり急な下り坂で(つまり逆走しようと思えばかなり急な上り坂を登るしかない)結局諦めてしまいました。ごめんなさい、と振り返り振り返り、手を合わせることしかできません。この辺りは事前準備の拙さ、と言った所でしょうか……まあ、宮古行きを決めたのが十日前くらいだったので仕方ないか、とは思いますが。今度はもっとしっかり支度をして行きたいと思います。そりゃまあ、確かにこの戦闘で幕軍の人間も死にました。でも、それは官軍にしたって同じ、なのですよね。利三郎さんや相馬さんが斬り殺した人もいたはずなのです。なんだか、しんみりしてしまいます……改めて、彼らがしていたのは戦争なのだよなぁ……と。義とか誠とか、どんなに色をつけたとしても戦争は戦争なのです。そんな風に、思った次第であります。
さてさて。
予定より少々早かったのですが、駅前に戻り、バスを待ちます。結構な時間待ったので、持ってきていた『歳三往きてまた』を読んでいました。当地で読む宮古湾海戦のシーンの染み入ることと言ったらありません。でも、それより今まで気付いていなかった「島田さんにふっとばされる相馬さん」の図が可愛いやら可笑しいやら。もうほんっと頭からつま先まで不謹慎でごめんなさい……でも、島田さんにふっとばされたら痛いだろうなぁ……なんというか、肉体的にというより精神的にキそうです。
そうそう、藤原観音堂というところに行くのに橋を渡ったのですね。とても大きな橋です。その橋を渡っている頃、丁度海の方に濃い霧の帯のようなものがかかっているのが見えて「ああ、こりゃ確かに船も迷子になるわ」とか思っていたのですが、それは「やませ」なのだそうです。目に、見えるものなのですねぇ……

そんなこんなで宮古一人旅、とてもいい経験になりました。夜行バスは思ったより快適で、まあ元々移動時間は眠る主義というのもあるのでしょうがぐっすりでしたし、よき出会いにも恵まれ、天候も思っていたほど悪くなく……というか良すぎて日焼けしました。知ってたら帽子とか、もう1つ強い日焼け止めとか持っていったのに……
これからも、色々な場所を旅して行きたいと思います。

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Ruin.dui 
Ruin.duin.と、遺体も旅したかも。
それでRuin.duin.と、支度とか案内したかったの♪
BlogPetのしゅーちゃん URL 2008/06/25(Wed)08:49:14 EDIT
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