『士道の値 伊庭八郎幕末異聞』 フラゲしたぜ、いえー。
結局、昨日は不貞寝して、今朝は早くに目が覚めて。
悶々としながら仕事して、帰りにちょろっと本屋寄ったら売ってた×××
嬉しくてつい全力疾走して帰ったら、盛大に咽て吐くところだったんだぜ。
(どんだけ嬉しかったの、自分)
夕食までは無難にこなし、もそもそと早速読破。
前回ではおぼっちゃん全開だった伊庭さんですが、今回は割と皆にからかわれつつも、少しずつ歩み始めている印象。
嗚呼、この人こうやって人生歩んで死んでいくんだな、ってのが少しずつ見えるような。
少しずつ人も増えていくし、いなくなっていく人もいるのだろうし。確実に、世界が広がっている。ここにある総てが、きっと未来の伊庭さんに繋がっていくのだろう。そう思うと、読んでいてくふくふ笑いが漏れて、妹にあやしいだ煩いださんざに言われたくせに、なんとも切なくなってくる。
本山さんも出てきたし……ああ、この人の本山さんはお兄ちゃんタイプかあ、と。そっちの方が、僕は好きです。ところで、本山さんのがすこうし年上のように描かれていることが多いですが、実際の所どうだったんでしょうかね。何でも良いけど、初対面の義弟云々の会話が可愛くて好き。でも、本山さんは伊庭さんの義弟にはなりませんでしたが、本山さんの弟さんがなってますよね。この場合、どうなのかしら。義兄弟ではあるのですよね。二人共、亡くなった後の話ですけれども。……あら、なんか虚しいわ。
それはさておき、折角本山さんが出てきたのは良いのですが。
(と言うか、主人公伊庭さんだし、いつかは出てくるだろうて思ってたんですが)
まさかの新さん登場に度肝抜かれました。いや、道場主の名前が出たときには「ん、この名前はどこかで……」と思ったんですが、そうか新さんか。
伊庭さんとトシさん、伊庭さんと沖田さん辺りの対戦はわりかしよく見かけますが、新さんとは意外ながらも納得の行く人選。しかも生き生きとした二人の試合が楽に想像できる筆運び。もうこの対戦シーンだけで満腹ですよ、私は。幸せだった。えへへ。
自分は、割とよく型の説明などが文章にされていると、それを参考にして自分で木刀なり竹刀なり振り回して一通り試してみるのですが、秋山香乃ほど辿り易い人もなかなか、どうして。やっぱりその辺りはやってる人の拘りなのかなあ、と思います。
あとは、最後のサダと伊庭さんが可愛いやらいじらしいやら、切ないやら……殆ど一緒にいない、どころか言葉を交わすのすらこのほんの僅かなシーンだってのに、まったく。着実に気持ちが育ってて、こちらも、その後が垣間見えるような……
何と言うか、鱗さん、鱗さん。やっぱり伊庭の若様は、もう十分「悪い男」だよ。
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