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概ね日付が変わる頃書いているので昨日と今日の境目がおかしい。幕末と人形と文学的な何かを愛している。
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とゆーわけで、昼休みになった途端に会社を飛び出して、『雨に添う鬼 武市と以蔵』を買ってきた。……歴史系の片隅に、ぽそっと置かれていたこの漫画絵表紙の破壊力……あの、こう言う絵は嫌いじゃないんですが、こう言う絵である必要性ってあったんですかね。まあ、そうでもないと大河の二人の顔がちらついてまたそれはそれで集中できそうになかったんで、良かったんですけど。
などと、販売戦略に首傾げつつ、さっくり読破。我ながら、こう言う時だけホントに仕事速い。ここ数作、この人の作品はなんだか読みやすくなった気がします。特に歴史上の流れの説明の辺り。慣れか、私が何も知らんからか。
そうそう。
自分は、長州以上に土佐については無知です。どれくらいの無知っぷりかとゆーと、大河ドラマ始まってから初めて、龍馬さんの身分とか実家についてを知ったくらい。龍馬さんについては多少知識はあるはずなんですが、私が知っているのはあくまでただの坂本龍馬であって、土佐の坂本龍馬じゃねーですもの。ただまあ、何時何があったのかとか、そーゆー大まかな流れは把握してます。その他の大きい事件なんかも。(以蔵さんについては、確かに好きっちゃ好きですが、彼の辞世に惚れただけで、後は……そうですね、やっぱり何かの小説で読んだ「先生、先生」と最期の最期まで言っていた姿が印象的なくらいでしょうか)そう言う状態で読んだのが、却って以蔵さんの「何も知らない、知らされていない」状況とシンクロ出来てよかったかもしれない。彼が噂やなんかで手に入れた以上の情報を持っていないから「そうじゃないよ、本当は!」とか一つも思わなかった。ただ、一緒になって寂しくなって、泣かない代わりにわんわん泣いた。鼻、いたい。
てゆーか、「今」から読むとアギ先生の気持ちも判らなくもないけど、それでもやっぱりアギ先生ひどい。たった一言でも、言ったのかな。言ってないんだろうな。判って欲しいって。察して欲しいんだって、学んで欲しい、成長して欲しい。そう言う「期待」を、一言でも以蔵さんに伝えていたのかな。いなかったんだろうな。だからあんなに二人共、最期はずたずたになったんだろうな。
なんだい、この遣り切れない感。切ないとかなんとか以上に、すごい遣り切れない。一言でいいから欲しかったって以蔵さんの気持ちだけは、諸々経験あるんで判るんで、その辺含みで。本当に、ああ言うのって一言でいいんだよ。いや、言葉じゃなくてもいい。その人がこっち向いてくれるだけで、それだけでいいんだよ。
途中までは、結構よかったんだけどなあ……うん。なんか、珍しく物凄い後味の悪い話だった気がする。例えば『歳三 往きてまた』のラストの花のような。寂しいんだけど、清々しいものって言うのが、何もなかったんだな。辞世も、もっと清々しいものだと思っていたんだけど違った。青い空は、見えたものじゃなかったんだ。何もなくなったあの人に、残されたたった一つの風景だと思ってた。でも、この話だと違った。見たかったもの、欲しかったものの、代表だと思う。多分その青空は、世界を包む広い空なんかじゃなくて、自分の家の屋根と洗濯物が一緒に見えるような。そんな空だったんだろう。先生のために、先生のために、ってその気持ちが潰えた後に、残ったのはそんな夢だけ。そんなのって、あんまり過ぎる。アギ先生が「馬鹿じゃなぁ」って言わなくなった辺りから、やっぱ遣り切れない感が酷くて軽く鬱だ。そこまではなー、相変らずの秋山節とゆーか、なんとゆーか。ことあるごとに可愛いだの愛しいだのを連発するアギ先生にうわーってなったりしたもんですが。そんでそれを楽しんでいたりもしたんですが。以蔵さんからは、ある程度予測していたので、まあそうだろうな、位にしか思わなかった。慣れって恐い。てか、そうか。以蔵さんからじゃなくて、アギ先生の方が爆弾発言魔だったのか。発言してねーけど。
……いや、ここは発言しなくてよかったと思います。ここでうっかり発言したら、別の意味で道を踏み外しそうだ。この人たち。
あとは、そうだなあ……あ、平助さんが出てきたのにびっくりした。なんか、普通に格好いい男の子だった。でも、以蔵さんが「いずれ彼らも京から消える」的なことを言ってて、あーだから平助なんかなあ、と思った。あとはイマイチ何の為に出てきたのか良く判らない高杉さんに、山県さんと……あれ、狂介ってそーだよな。お地蔵さんこと義助さんが結構出てきて面白かった。また皆のお兄ちゃんやってた。藩外の人物にも、適用されんだね、アレは。以蔵さんとのお別れのシーンとか、軽く惚れるわ。秋山作品で、こうやってちゃんと龍馬さんが出てくるのは初めてだったろうか。存外にステレオタイプな龍馬さんだった気がする。
それはそれとして、以蔵さんの剣を、益々見てみたくなったなあ……と。誰かのためだけの、くらぁい剣。うわあ、ぞくぞくする。そう言うの凄い好き。そしてその「くらぁい」感じがやっぱしちゃんとあるような気がして。もうどうしようもなくその辺はぞくぞくした。剣はいいよ、殺陣は好きだよ。殺陣でいいから、そんな剣を見てみたい。

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BlogPetのしゅーちゃん URL 2010/04/23(Fri)14:55:45 EDIT
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